我が家の男性陣(父と兄)は根っからのバイク好きでした。
父はロードバイク、兄はオフロードと多少の好みの違いはありましたが、休日になると二人で庭に出て自分のバイクを整備していた姿が思い出されます。

父の場合は50ccの原付から始まり、どこから情報を手に入れるのかホーク、トライアンフと買い替え、最終的には1000ccのBMWに乗っていました。
私もヘルメットを購入させられ、よく後ろに乗せて貰っていました。大きなバイクのシートは安定していて全然疲れませんでした。
兄はエイプ50に乗っていました。
バイク買取エイプ50で高額買取してもらったのでもうこのバイクはありませんが、
一張羅のライダースーツをいつも泥まみれにして帰ってきていました。
兄のバイクにも乗せて貰った事がありましたが、父のロードバイクに比べ、シート幅が狭くて足が地面に付きません。
手を兄の腰に回して前で手をがっちり組むようにしていないと振り落とされそうでしたし、カーブでは「一緒に身体を倒せ」と言われてヘルメットが地面スレスレまで近付いていた記憶があります。
母はただ呆れて傍観していましたが、次第に二人の影響を受けてしまった自分も中型二輪の免許を取得していました。

最初で最後になった自分のバイクは、兄のススメで「セロー225」。
トコトコ走る女性向けのピクニックバイクでした。

とはいえ車高の高いオフロードバイクには変わりなく、しかもキックスターター。
最初は信号で止まる度に立ちゴケはするし、交差点でクラッチを切るのを忘れて「う、動かない」と立ち往生したりでハラハラし通しでした。

仕事が忙しくなるにつれ、あまり乗る機会もなくなり、半年ほど経ったある日車庫から消えていたのに気が付きました。
母に尋ねてみると「お兄ちゃんが、アイツはどうせもう乗らないんだろうって言って自分の新しいバイクの頭金にしちゃったみたい」だそうで。
いやまあいいですけども、せめて一言本人に断ろうよ兄ちゃん、と苦笑いしたものです。

あれから年月が経ち、年老いた父は昨年アチラ側へ旅立ってしまい、兄もバイクに乗ることはなくなりました。
それでも昔のアルバムには心底幸せそうな表情をしてバイクに跨る父や兄の写真が残っています。
私も今や中型二輪のペーパードライバーとなってしまいましたが、あの頃、父や兄の大きな背中に張り付きながら風を切って広い道を走った思い出はいつまで経っても忘れられません。